冬の足音が聞こえ始めた今日この頃。コロナ禍により今年の冬はいつもよりおうち時間が増えそうですが、気になるのが「室内の寒さ」ではないでしょうか。
日本ではヒートショックなどで冬期だけでも1万人以上の人が亡くなっています。冷えは万病の元といいますが、最大の予防対策が家の断熱性能を向上させることです。暖かい家は疾病を減らします。
そこで今回は寒い家を改善する方法について詳しく解説していきます。ぜひ、寒い冬を乗り切るヒントとして参考にしてくださいね。
第5章:優先順位がポイント!相談は断熱リフォームに詳しい会社がおすすめ
暖房を使っても使ってもお部屋が寒い・・・。そういうことはありませんか?家が寒い理由は、暖かい空気が冷やされてしまうお部屋の構造にあります。その原因を取り除かなければ、どんなに暖房でお部屋を暖めても熱はんどん逃げていくばかり。まずは、この寒さの原因3点を知ることからはじめましょう。
・暖気が一番逃げるのは「窓」!
・断熱性能の低さ
・コールドドラフト現象
なんと暖房で温めた空気の58%は窓から逃げていくといわれています。大きな窓など開口部が大きければ大きいほど逃げていく熱も多くなります。また、窓枠の素材にも注意が必要です。多くの住宅に取り入れられているアルミサッシは、熱の伝導率が高く、外の冷たい空気をお部屋に運んできてしまいます。
築20年以上の住まいは、現在の省エネ基準とは異なる形で家が建てられており、夏・冬の快適性に大きな差があります。中には断熱材がまったく使われていない場合も。また、木造建築の中には、風通しの良さを考慮した造りになっているものもあり、外よりも家の中の方が寒く感じられるなんてことあります。
コールドドラフト現象とは、暖かい空気が上へのぼり、冷たい空気が下へ溜まってゆく空気循環のこと。エアコンやストーブで暖められた空気は、途中で冷たい窓に冷やされて、その寒気が足元へ溜まってしまいます。部屋のいる場所が冷たい空気の通り道になってしまうと、暖房を強くしてもなかなか暖かくはなりません。
寒いけれど我慢さえすれば大丈夫、というのは昔の話。近年、寒い家には健康リスクが潜んでいることが調査などでわかってきました。ここではその主なリスクを3点みていきます。
・ヒートショック
・高血圧や糖尿病のリスクがアップ
・結露によるカビの発生でぜんそくや肺炎のリスク
ヒートショックとは、急激な寒暖差によって引き起こされるショック状態のことをいいます。特に入浴時に起こることで知られています。寒い脱衣所から急に温かいお風呂に入ることで、血圧が急上昇し、心臓に大きな負担がかかってしまうのです。このヒートショックも含めた入浴事故で年間約1.7万人が命を落としています。これは、年間の交通事故死者数3200人を大きく上回る数です。
ある調査で(※)室温が10度と20度のときの起床時の血圧を比較したところ、10度で30代女性で+5.3mmHg、80代女性では+11.6mmHgも高くなったそう。また、床の温度が15度以上ある家に比べて、15度未満の家に住む人の通院率は、高血圧で1.5倍、糖尿病で1.64倍と大きな差になっています。
※住宅の断熱化と居住者の健康への影響に関する全国調査(一般社団法人日本サステナブル建築協会)
外気温と室内の温度差で発生する結露。結露自体は水分なので毒性はないものの、濡れた窓や壁を放置しておくと発生するカビが問題です。結露によってできるカビには、ぜんそくや肺炎を引き起こす原因物質が含まれているといわれています。さらにそのカビをエサとするダニはアレルギーを引き起こす要因となっています。
真冬のお部屋を暖かくすることは、快適性だけではなく健康面のリスクを回避することにもつながります。ここではお部屋の断熱性アップの方法を紹介している動画やサイトを集めました。どれも簡単にできるものばかりなので、家の寒さをなんとかしたい方は、ぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。
この動画では、断熱アルミシートの使い方と、断熱カーテンの取り付け方を紹介しています。フローリングの床は、畳と比べて熱伝導率が約2倍。冷たい空気が下に溜まると、床もどんどん冷たくなっていきます。それを断熱アルミシートでシャットアウトします。また、窓からの寒さ対策には断熱カーテンの活用も有効です。この動画では、断熱カーテンの種類別に取り付け方なども紹介しています。
出典: https://youtu.be/3_YnvUvM-UQ
どんなに断熱対策をしても、部屋に隙間があると冷気は入ってきてしまいます。一見隙間があるように見えない窓も注意が必要です。この動画では、窓の隙間テープの貼り方と、窓ガラス断熱シートの貼り方を紹介しています。窓にシートをきれいに貼るのは難しそうと感じている方も動画であればコツがつかめそうです。
出典:https://m.youtube.com/watch?v=WeUbhYJdhBI
断熱対策をした部屋を清潔に保つためには、結露対策が不可欠です。とはいえ、結露が発生するたびに拭いてまわるのは大変なもの。ここでは、結露を予防するスプレーから、結露を吸収するシートなど便利グッズを紹介しています。カビをつける前にできる対策を講じましょう。
自分で出来る対策はしてみたものの、やっぱり寒さが堪える・・・という方へ、リフォームやリノベーションで暖かくするオススメの方法をご紹介致します。
インプラス(内窓)の設置/工期:1~2日
①事前に採寸して工場でサッシを作ります。
②必要に応じて下地を直します。
③既存のサッシの内側に新しいサッシを取り付けて完成!
既存の内壁の上から「ネオマ断熱ボード」を張る/工期:2~7日
既存の壁・天井の内側から接着剤とビスで取り付ける簡単施工。解体に伴う廃材もほとんどなく、工事も軽微で住みながら施工が可能です。
★もしくは
既存のクロスの上にガイナを塗る
工期:4~5日/1部屋
ガイナは宇宙の技術を応用して開発された断熱遮熱塗料。JAXAが開発した塗布式断熱技術を民間に転用して開発された製品です。ガイナを塗るだけで、夏涼しく冬暖かい住まいに生まれ変わります。
発泡ウレタンを75mm吹き付ける/工期:1~2日
吹き付けるだけで断熱効果を発揮する、現場発泡硬質ウレタン。断熱性能の高さはもちろん、発泡することにより現場の形状にぴったりと密着するため、 気密性の高い施工を実現。(必要に応じて下地の補修を行います)
断熱対策をすれば快適に冬を過ごせるだけでなく、光熱費の節約にも繋がります。もし本格的に断熱対策を行うならば、専門家に相談してみるのもいいでしょう。
そのとき「窓」や「床」などピンポイントでお願いするのもひとつの手ですが、「お部屋が寒い」というお悩み自体をそのままぶつけるのもおすすめです。そうすることで、お家に合った断熱対策を提案してもらうことができます。そして優先順位の高い部分から改修することで、よりよい効果が期待できるでしょう。
そのような意味でも、相談は断熱リフォーム全般に詳しい会社がおすすめです。
クラシタスでもご相談をお待ちしています。